現場で活躍する卒業生に仕事のようすや思いなどを聞いてみました。
社会福祉法人さくら会品川区立月見橋在宅サービスセンター 所長 管理者兼相談員
4期生橋本剛さん
介護福祉士を目指されたきっかけは何ですか?
兄がダウン症だったので、幼いころから「福祉」は身近なものでした。その影響もあり、高校生になって進路を考えたときに、福祉の仕事を選びました。さらに、福祉の専門家として誰かを助けることができるところに魅力を感じ、介護福祉士の資格取得を目指しました。
数ある専門学校の中で、本校に入学された理由は何ですか?
姉から聞いてその存在を知りました。説明会に参加し、校内を案内していただいたときに、空気感や環境を新鮮に感じたことが印象に残っています。卒業時に資格を取得できるとともに、品川区内の施設で3年間働くと修学金が免除される制度を知り、大きな魅力を感じたため選びました。
当時の思い出深いエピソードや、いま改めて感じる本校の魅力を教えてください。
専門的な知識や技術が習得できるだけでなく、密度の濃い2年間を過ごすことができました。苦楽を共にした一生モノの友人たちをはじめ、厳しさの中に優しさが輝く先生方、手厚いサポートで頼りになる事務職の皆様、人柄や個性が光る素敵な法人・施設の先輩方、ご利用者の皆様など、多くの人たちとの出会いがあり、出会いの分だけ思い出深いエピソードがありました。私の期は1クラス40名前後の生徒がいて、年齢のバランスも良く、とても個性豊かでした。まとまっていないようで芯は一致団結している、そんな不思議なクラスでした。一人ひとりが優しさの中にも熱さと気概があり、毎日が賑やかで楽しかったことを今でも思い出します。年齢関係なく、つらい時は支え合い、うれしい時は一緒に喜び、旅行に行ったり朝まで夜通し遊んだり。仲間と過ごした時間と、仲間から学んだ物事への向き合い方や考え方は、今の私の礎になっています。とにかく、とても楽しい2年間でした。仲間たちとは今でも交流があります。
その他、実習先での先輩や利用者さんとの出会いにおいても、忘れることができない思い出深いエピソードがたくさんあります。「おはし(私の呼び名)は良いケアワーカーさんになるよ」と実習先の利用者さんから言われたことは、今でも私の誇りです。また、実習先の先輩たちがどんと構えてくれていたので、失敗を恐れることなく安心して多くのことに挑戦できました。とある実習先の利用者さんが、「元気だった頃は、旅行先で風景写真を撮るのが好きだった」と話してくれたことがありました。身体の片側に麻痺があり、カメラでの撮影をあきらめていたのです。自分が手伝えば以前と同じように撮影ができるんじゃないか、前向きな気持ちを取り戻せるんじゃないかと思い立ち、「(実習期間中に)外に出てカメラでの撮影ができないか」を実習時の課題として挙げ、周囲の支援を受けながら計画を立てて実行したことがありました。撮影当日は、支援が必要なところだけお手伝いしました。利用者さんがカメラを構えて撮影する姿・表情はイキイキとしており、まさしく「今を生きて」いました。実習後、現像された写真を見て表情が明るくなり、再び自分で撮影するという目標を叶えるために前向きにリハビリに参加するようになった、との報告を実習先の管理者の方から受けました。これを聞いたときには、体に電気が走るような感覚を覚えたのを今でも思い出します。介護の仕事は、日常を支える、地味で地道な仕事に見えるかもしれませんが、関わっていくなかでこういうシーンに遭遇することが少なからずあります。仕事の魅力を再発見したエピソードでもありました。
品川介護福祉専門学校では、専門的な知識も人生も、たくさんのことを学べます。多くの魅力ある人たちと出会いながら得られる経験値は、専門職となってからも活きること間違いなしです。魅力たっぷりの最高の学校、おススメです!
専門学校で専門的な知識や技術を身につけたうえで、介護現場で働く意義を教えてください。
当時の担当講師に言われた「“なぜ”を大事にしなさい」という言葉が思い出されます。「なぜ」と違和感を覚えたときに、より深くたくさんの知識があれば、より正解に近い見立てや予測を立てることができます。また、その状況や状態に応じた適切な技術があれば、相手の不快感や不安を取り除き、安心感をもってもらうことができ、信頼関係を築くきっかけにもなります。信じて頼りにしてもらえる専門職であり続けられるように、常に技術と知識を磨き続けることは大変重要です。一生学び、実践し続け、正しい知識や技術を身に付け、それらに裏付けされた仕事を必要なタイミングで提供できるからこそ、「専門職」なのだと思います。
仕事のやりがいは何ですか?
「あなただから」のひと言に尽きます。誰でもない、「only one」。このひと言をいただいたときに、この仕事をしていてよかったと思います。向き合い続けた先に相手が良い一歩を踏み出せたときは、やりがいを感じます。一人の人と人生にじっくり向き合える、「よりよく生きる、生きていく」ことを近くで一緒に考え、行動に移すお手伝いができるから、相手の穏やかな笑顔や表情や言葉を近くで見て感じられるから、私はこの仕事を続けられているのだと思います。
また、現在の立場では、職員みんなが悩みながらも前向きに利用者さんと向き合い、不安や悩みが解決に向かい、成果を共有しているのを陰からこっそり見るのも、やりがいの一つですね。働きやすい職場環境づくりにも力を入れています。例えば、私が提案した一つに、連続休暇(連休)制度があります。旅行に行ったり、家族とゆっくり過ごしたりでき、職員間でも大変好評です。
仕事をされるうえで、心がけていることや大切にしていることは何ですか?
3つあります。1つ目は、「Try&Error」です。失敗は成功の基ともいいます。やる前から決めつけない、やってみなけりゃわからないもの。失敗を恐れず、たくさん失敗して経験値を増やすことを大切にしています。
2つ目は、「あきらめない」です。本人や家族があきらめていても、あきらめない気持ちをもち続け、粘り強くかかわり続けること、突破口を考え動くことを大切にしています。
3つ目は、「一緒に働く職員たちを大切にする」です。同僚を大切にすることなく目の前の方を支え続けることは難しいと考えています。全職員がプライベートも大切にしながら働ける職場環境であり続けられるよう、自分にできることを精一杯取り組んでいます。
品川介護福祉専門学校に入学を検討される方へ一言お願いいたします。
介護福祉の仕事は、「飽きない商い」です。障害があったり、認知症の状態にあったりしたら、「自分が自分であること」を表現する人生をあきらめなければいけないのでしょうか。私はそうは思いません。一人として同じではない他人の人生の一端に関わり、生活や人生という相手に近いところで、より良い方向に向かって人生の伴走をさせていただき、その成果や喜びを一番近くで感じられる仕事なんて、介護福祉の仕事以外ないと思っています。介護福祉士として働くなかで、何者でもなかった一学生の私が、専門学生時代から多くの人に支えられ応援され、法人や事業所内に留まらず、今では認知症介護指導者や認知症地域支援推進員として活躍の場を地域に拡げています。介護福祉の仕事も、積み重ねていけば活躍の場が広がるのです。
先日は、推進員の仲間たちや区の認知症サポート係、地域に暮らす認知症サポーターの皆様と、「オレンジフェスタ2023」を企画・開催し、大盛況でした。プライベートでは、気の置けない仲間たちと、「みんなの談義所」という認知症の人もそうでない人も集まって話せる場所を作ったり、そこで知り合った仲間たちと商店街で餅つきをやったり、ファームエイド東五反田という地域のお祭りに参加したり、本の出版をしたり、普通では経験できないことを経験させてもらいながら、地域に暮らす人たちの中に仲間を増やす活動も楽しみながら続けています。
今は、チームオレンジ結成を目標として仲間と歩んでいます。相手の願いや思いを叶えるために、まだまだ私にできることがありそうなのは、非常にありがたいことです。今、これを読んでくれている皆さんにも、いや、皆さんだからこそ、できることや役割がこの仕事には必ずあります。一緒に肩を並べて働ける日を心待ちにしています。Join us!!
社会福祉法人 品川総合福祉センター 中延特別養護老人ホーム 介護福祉士
18期生熊谷 隆一さん
介護福祉士を目指されたきっかけは何ですか?
介護福祉の業界で人手が不足しているとニュースなどで見て、社会に貢献したいと思ったのがきっかけです。
数ある専門学校の中で、本校に入学された理由は何ですか?
修学資金貸付制度が魅力的だったから。
卒業してから、振り返ると、思い出深いエピソードや改めて感じる本校の魅力を教えてください。
少人数クラスなので、アットホームな雰囲気が良かったと思います。
専門学校で専門的な知識や技術を身につけたうえで、介護福祉の現場で働く意義を教えてください。
学校で専門的な知識や技術を身に付けたことで、実際に働き始めてから、排泄介助や移乗介助等のケアに活かすことができました。
仕事のやりがいは何ですか?
入所者さんから感謝の言葉をいただいた時にやりがいを感じます。
仕事をされるうえで、心がけていることや大切にしていることは何ですか?
まだ十分にできている自信はありませんが、相手の立場になり、気持ちを考えることを大切にしています。
品川介護福祉専門学校に入学を検討される方へ一言お願いいたします。
少人数でアットホームな雰囲気で、学びやすい環境です。2年間という短い期間ですが、仲間と共に学び、知識や技術を身につけるには最高の学校です。福祉業界を一緒に盛り上げていきましょう!
社会福祉法人 愛生福祉会 品川区立上大崎特別養護老人ホーム 介護福祉士
26期生眞民 衣織さん
介護福祉士を目指されたきっかけは何ですか?
祖父が病気になったときに、初めて介護福祉士という職業を知りました。その後、祖父が要介護になったときに何もしてあげられないことが悔しく、自分も人の役に立つ仕事をしたいと思い、介護福祉士を目指しました。
数ある専門学校の中で、本校に入学された理由は何ですか?
さまざまな施設に実習に行くことができ、働く前に多くのことを経験できると思ったからです。また少人数で、座学も実技もどちらも学びやすいと思ったからです。
当時の思い出深いエピソードや、いま改めて感じる本校の魅力を教えてください。
少人数だったこともあり、グループワークなどでは、今まで話したことのないタイプの人とも関わることができました。コミュニケーション能力を高めるきっかけになったと思います。
専門学校で専門的な知識や技術を身につけたうえで、介護現場で働く意義を教えてください。
知識も技術も十分でない状態で仕事をすると、何が危険なのかがわからず、多くの人をリスクにさらしてしまいかねません。専門学校で知識や技術をしっかり学んでいると、そのリスクを減らすことができます。介護福祉の仕事は、人の命を守る仕事でもあります。自分たちは常に緊張感をもちつつ、相手には安心感を与えるような仕事ができることが大切だと思います。
仕事のやりがいは何ですか?
「ありがとう」と直接言ってもらえることが、日々のやりがいになっています。また、いつも利用者さんのそばにいて、楽しいときには一緒に喜べること、つらいときには悲しい気持ちを少しでも和らげられることにも、やりがいを感じています。
仕事をされるうえで、心がけていることや大切にしていることは何ですか?
「その人の人生」に関わっているのを忘れないことです。最期まで少しでも心豊かに過ごしていただけるように、日々の支援を工夫しています。
品川介護福祉専門学校に入学を検討される方へ一言お願いいたします。
2年間のうちには、楽しいことだけでなく、大変なことやつらいこともたくさんあります。でも、周りの仲間と支え合ったり、先生たちが優しく指導してくれたりして、人として成長することができます。頑張ってください!
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